御用メディア
国際NGO 国境なき記者団が、2017年の「報道の自由度ランキング」を発表した。
日本は72位、G7では最下位だった。
安倍政権の露骨なメディアへの介入は、驚くばかりだが、さらに驚きなのは、メディアの側の従順さだ。籠池問題や大臣の不祥事や失言がこれだけ続いても、政権批判は大きな動きにならない。それどころか、露骨な御用ジャーナリストを度々、情報番組に登場させ、政権を擁護するような発言までさせている。あきれるばかりだ。
もちろん、このような事態に陥ったのは、安倍政権のせいでもあるが、それ以上に
メディア自身の問題があるのだろう。記者クラブ制度のようなお仲間のあいだで、
セレモニーのように日々の会見をこなしていれば、政権批判などできもしないの
だろう。
民主主義とは多数決を意味するものではない。本来の民主主義の意味は、様々な立場や
意見を持つ人々が熟議を通してある一定の合意を形成することだ。かかる合意形成に
おいて、本来ならばメディアの役割は非常に大きい。しかし、もはや御用メディアの
ごとき日本の多くのメディアは、民主主義を健全に機能させるどころか、政権へ批判的
な見解を排除する方向にある。批判精神を失い、気概も失ったメディアほど有害なもの
もなかろう。